卵をかえして

sumikko2005-02-16

こんばんは。カラオケに貧窮問答歌があれば歌いたいくらい貧乏です。ああでもカラオケに行く余裕すらない。

そんな経済危機の中、家電壊れまくりの私。今朝、ついに電子レンジまでもが壊れた。テレビはなくても平気。親機で単純に通話する以外の(子機も留守電もオンフックもリダイヤルも)なんの機能も使えない電話機だって問題ない。でもさすがにレンジは困るよ。朝、お弁当を作ろうと冷凍していた魚介のリゾットを解凍したところ、ドアが開かなくなった。うちのレンジは非常にアナログで、ほら、ドアの横にあるボタンをがちゃって押すと開くやつ。そのバネがいかれてしまったらしく、ボタンを押せどなんの手ごたえもない。無言。でもリゾットはせっかく食べごろに温まってるのだし、ドアを無理矢理こじ開けたらドアにひびが入った。爪も折れた。朝っぱらから超ブルー。装身具やコスメ、本などには結構お金をかけるものの、家電や雑貨に関してはさしたるこだわりはない。ひとり暮しを始めて早8年。ざっと私の部屋を見渡して、私が買った家電といえば、オーディオセットとiBookiPod、プリンターくらいだ。あと1480円のオーブントースター。あ、6000円のDVDプレイヤーも買ったねそういえば。でもテレビも冷蔵庫もレンジも電話機も洗濯機もガス台もミキサーもホットプレ−トもアイロンもドライヤーもみーんな、姉や友だちやかつての恋人などにもらった。だから私には家電は人にもらうものだという間違った認識がある。おっと。レンジなんて温め機能だけなら6000円くらいであるじゃん。ファンデーション一個の値段じゃん。買っちゃえよ、と思ったところ、友だちから3月末に引っ越すからオーブンレンジあげるよー、とのメールが!1月半の辛抱か。ううむ。

26歳女にとって年下の男の子は無条件にかわいい。うそ。いくつかの条件をクリアすれば死ぬ程かわいい。というか、たぶん、同い年や年上には発揮できないタイプの甘えた振る舞いが許されて、そういう自分がかわいいんだろう。歳を重ねれば重ねる程につき合う男のナルシシスト度が増していく。応じて私もナルシシストになる。いや。逆かな。まあどちらでもいい。相乗効果だ。はっきりしているのはもうじき結婚を控える友人達との溝が広がっていくということ。彼女らの私に対する奇異のまなざしが痛い。

その世にも美しい青年の不機嫌の理由が私のバレンタインの扱いにあることが判明し、おわびに「おはち」なんかでタラちげ定食をごちそうしようとしたら、貧乏な私を気づかって、反対にじぶ煮定食をおごってくれた。あー。お姉さん超うれしいー。ごめんね、すっかりバレンタインのことを忘れてたよ。小さなハート型のせんべいで頭がいっぱいだった。だけどさ、君、今年いくつチョコもらったの?チョコ以外にもハンカチとか靴下とか、ライターとか山のようにもらったでしょー。女の子と飲んでた間、私のことなんか思い出しもしなかったでしょー、とおばさんらしい突っ込みを入れてみてもいいが、入れる必要もないから入れない。ふて腐れる美少年に、子供の頃に読んだ本に書いてあったダチョウの子育てについて話す。ダチョウはオスが巣をつくり、卵を産んでくれるメスをもてなすの。メスは好みのオスの巣を見つけたら、そこで交尾して卵を産むんだけど、立ち去るときに、もともとそこにあった卵は別の女の卵だから蹴っ飛ばしちゃうんだって。オスは生まれた子供を必死で育てる。ダチョウも当然トリだから刷り込みってやつがあって、オスの後にはいつもぞろぞろと雛がついてくるのね。かつてはダチョウの養殖って難しかったから、養殖業者は孵化させた雛をこっそりダチョウのオスの家族に潜り込ませたんだって。ダチョウのオスは何の疑問もなく、といってもちょっとくらい疑問はあるかもしれないけど、育てちゃうの。最終的に70羽くらいまではいけちゃうんだって。すごいねダチョウのオスって。
話しながら私はその美しい指から生まれる芸術について、想う。そこから生まれるもの。それがすばらしいかそうでないのか、残念ながら私にはわからない。でもそこには、はるか昔、若い頃に感じた切なさのようなものはない。伊達に歳をとってませんよ。お姉さんは。いつか理解できる日がくればいいなあ、と思う。その課程が楽しめる。東京は掘ればいつかは温泉が湧くらしいけど、まあそんな感じで。
彼ならば、分かるのかしら。この子の作る芸術が。何か、意味のあるものなのか、ないものなのか。それはとても興味深いけど、私はちょっと怖くって、なんでだろう?何が、怖いのだろう?