魔法

sumikko2005-03-27

「ブリジット・ジョーンズ」鑑賞デート帰りの美少年から電話があり、ブリジットがスクリーンに映るたびに君のことを思い出した、と。わはは。うーれーしーいーーー:-)

深夜、喉が渇いて目が覚めて、水をごくごくと飲んだ。部屋の酸素が足りない気がする。ベランダに出ると月が見える。でっぷりと太った月。
電気を消したままごろりと床に寝ころぶ。ぶーんと冷蔵庫の唸る音。冷却装置が止まるとき、ぶるると震える冷蔵庫はとてもキュートだと思う。数軒先のアパートからは、深夜のバラエティー番組らしき音がする。そして、銀色の月の光の音。ざくざくと、アスファルトに、ふくらみ始めた桜のつぼみに、ベランダの手すりの金属に、当たって弾ける音がする。お腹に手を当ててみる。おそらく今日は私が卵を産んでいる日。異様に眠くなったり、夜半急に目が覚めたり、軽く鋭い痛みがその証拠。不思議なこと。月の周期と女性の周期はほぼ同じ。不思議なこと。

数ヶ月に一度、私には異様に結婚願望が芽生える。今日もものすごく結婚がしたかったので、結婚指輪とかウェディングドレスとか、結婚式の招待状の下見に行ってみた。その後新婚旅行とか結婚式場のパンフレットをどっさりもらってきた。あー。結婚したい。
しかし、よくよく考えてみると、結婚生活とか人妻という立場に憧れているのではなく、単に指輪が欲しくて、旅行がしたいだけだ。私はアクセサリー好きで、死ぬまでに一度はペアリングをしたいという野望があるのだが、生憎今までの恋人はアクセサリーをしてくれる人たちではなかった。だからもしペアリングをするならこれはもう結婚というイベントに便乗するしかないと思っている。もうひとつは、旅行好きだから。旅行する機会は少しでも多い方がいい。ということで、別に結婚しなくてもいいことが分かった。結婚願望は鎮火した。
久しぶりに美味しいワインが飲みたい。西武の地下のヤマザキに行き、ソムリエ(だと思うが資格は確認してない)のアドバイスを参考に、フランスの南西部マディラン地区の赤ワイン、シャトーラフィットテストンのラフィットテストン ヴィエイユヴィーニュを買う。私の敬愛する伯父の好んだカオールに近いと聞けば買わずにはいられない。かなり重めのコクのある赤なので、今日は肉だな。牛のフィレ肉を買い、久しぶりに料理をする。と言っても野菜を茹でて、肉を焼くだけなのだけど、瑞々しい緑が美しいアスパラやブロッコリーはパリっとして風味がよく、粗塩とオリーブオイルだけで素晴らしく美味しい。赤ワインはどっしりとして男性的。渋みのバランスもよく、なかなかのものでした。
こんなにいい女なのに、一人で食べる。こんなにいい女だから一人で食べる。
まあ、嘘をつくな。結婚なんてどうでもよくて、一緒にいたいだけでしょう?ああ、そうさ。でもあの自己中男には、こんないい女はもったいなくて、もったいなくて、本当にもう、ばか、と思いながら、満たされてるんだが満たされてないんだか、よく分からない心で、食器を洗ってお風呂に入って、ああ、まだ 9時なのね。でもいいわ。今日はいつもより2時間早く10時に魔法が解けるかもしれないし、仮にいつも通り 0時だったとしても、たまには解けた魔法に愕然とするまえに眠るもよし。おやすみなさいませ。