刻印

行き場のない悲しみに、子宮が痛い、と思った。いや、なんとなくそう思っただけ。実際に子宮が痛いわけではなく、たぶん子宮らしきものが痛い。
こんな類の悲しみを、男の人はどこで感じるのかしら。


人生で一番長い、 週末が明けました。
今週末もお買い物。
アニエスbにて牛皮の鞄。サングラス。ノジェスのピアス、指輪。とまならい。でも足りない。もうこれ以上欲しくないのにな。


26年間の人生の恋における記憶の中で、一番強烈だった思い出について話す。
一番愛した人と、一番仲良かった頃の出来事。その夜も、私はその人の気まぐれに戸惑った。傷ついた。泣いた。その後、大好きな肩におでこをつけた。心の底から安堵した。絶望的なほど、深く愛した。こんなに深く愛せるなら絶望もいいと思った。この想いの10分の1でいいから、私のことを愛してくれれば幸せだと思った。人の体温のあがる瞬間を、あれほど強く感じたときはない。
翌朝鏡をみて、鼻の付け根にできた、小さな傷に気づく。意識すればかすかな痛みを感じる程度。だけど、鏡にははっきり映っている。
顔の中央の、鼻の付け根に、誰が見ても明らかな傷。
彼の歯の跡。


その人の滅茶苦茶に、改めて驚く。
ため息をつく。
微笑む。


私の体に刻みつけられた印。

猫に引っかかれたの?という問いに曖昧に答えて、
早くこの傷が消えて欲しい。消えないで欲しい。


その傷が消えてから久しい。
でも、私の傷は、消えない。消えないどころか、日に日に深く。深く。深く。


終われない、恋が終わりました。

少しの間だけ、この日記はお休みです。