sumikko2004-06-21

この土日もなんだかばたばたとしていた。でもまあ表面的な忙しさというのは別に遠くでどうでもいいテレビ番組が流れているというような感じで、体力さえ続けば不愉快なことも軽くやり過ごせてしまうことができると思う。この週末私が本当に支配されていたのは、Lee MorganHMVに行ったらiPod meets HMVHMV meets iPodだったかな?)というキャンペーンをやっていてiPodを見せるとダブルポイントだそうな。見せるだけでポイント2倍。なんだかとってもジャズが聴きたい昨今だったし視聴ブースで適当に聴いていたらLee Morganの「Candy」と「I remember Clifford」にやられた。ということでアルバム「Candy」と「1957 Lee Morgan vol.3」をお買いあげ。なんだか輸入盤のセールもやっていて「Cool struttin'」とか1100円くらいでなんじゃそりゃと思った。この機会に、持っていないスタンダードアルバムを揃えておこうかと思ったのだけど、あいにくゆっくり選んでいるヒマがなかったんで、今日会社帰りにでもまた物色してみよう。

土曜日の夜は蛍を見ながら中華を食べた。たいそう高級な中華で、厳選された食材に職人の技が光ディッシュの数々。見た目も芸術的。瞬く蛍のはかなくも美しい光。しかし、生憎蛍を鑑賞しながら食事をしても全く楽しくないことが分かった。あくまでも楽しい食事会を盛り上げる要素の一つとして蛍が舞っていなくてはならないんであって、蛍が食事会の目的になってはいけない。ぼーっと見ていてもなんで虫を見ながら飯を食ってるんだろうって気になる。そういえばたまに疑問なのだけど、「本当に美味しい料理は中華だ」と主張する人がいるのだけど、なんででしょう?別に和食もイタリアンもフレンチも中華も美味しいと思うけど。中華好きってなぜか中華至上主義が多くて、ほかの料理をけなす傾向にある(私の出会った人はね)。フランス料理が大好きっていうのはちょっとかっこつけてるみたいでかっこ悪いけど中華なら本当に神髄が分かっているふうじゃん、みたいな匂いが感じられるのだけど(疑りすぎかも)、そういうのには、まあ人の好みはそれぞれですよね、とつまらない相づちを打ってみる。
食事中はほぼ上の空で、私にとって何がデートのときに一番肝心なのかとかくだらないことを考えてみた。世の中には様々なデートがあるなあと痛感した昨今だけど、やっぱりデートで最上位に位置するのは食事ですよね。一緒にものを食べていて心地よい相手というのはそうそういなくて、私は気を遣う相手と食べるなら一人でレストランに入るのを選ぶ方です。それでポイントは、マナーよりなにより、食べるスピードだなあと思った。テンポと言うべきか。私は食べるのが遅いのでいつも相手とのバランスが悪くなっちゃうのだけど、そういうときにさりげなく合わせてくれたり、気を遣わせないような雰囲気を作ってくれると安心できる。ああすてきと思う。といっても変にスピードを合わせてくれるんじゃなくて、自然にやってくれなくてはダメなんですけど。最高なのは自分なりの食事のスタイルを持っていて、「君はそういうスタイルで。僕はこういうスタイルで」て感じでお互いにそれぞれに楽しんで、ぎくしゃくしないという人なんだけど、そういう能力はよっぽど食事の回数を重ねた人じゃないと持ち得ないですね。以前デートでメキシコ料理の店に行ったのだけど、相手が目の前に出てきたタコスやチリコンカルネやワカモーレやエンチラーダを回転寿司みたいに平らげていくので、げんなりした記憶がある。この人とは食事に行きたくないなあと思った。「映画の後はスタバでお茶してまたねデート」。もっとひどいのは飲み会や食事の席で「僕、目の前に置かれたものしか食べなくなっちゃうんですけど」と言うような人で、一生ピーマン炒めを食っておれと言いたくなるけどこれは問題外。なんて無益なことをぐだぐだ考えているうちに蛍鑑賞会は終わったので、予想ほど苦痛でもなかった。

日曜日は生まれて初めて海老名というところに行ってみた。小田急線で途中にある駅の登戸。登戸ってものすごく遠くにあると思っていたよ、語感的に。なんだか煙がもくもくたった温泉地を想像していた。ああこんなに近くだったんですね。蒸し暑い午後、某電子機器メーカーの社宅の居間で、かせきさいだあというミュージシャンを初めて知った。キリンジと仲がよいらしくアルバムで一緒に歌ったりしてる。なかなか良い感じでした。機会があったらまた聴いてみよう。

その後急行で帰ってきたんで下北沢で降り、夜風に吹かれながらセガフレードカンパリソーダを飲んでいたら、偶然帰国直後の親族が通りかかり久しぶりに近況報告などをし合った。スペインは良いらしい。アルハンブラ宮殿を3回見て3回とも泣いたそうだ。建物を見て泣いたことはないなあ、と思った。ああ、こないだのフランス旅行では、葡萄棚を見て泣きましたね、そういえば。