sumikko2004-06-08

あまり怖がりではない。小学生の頃から一人部屋をもらい、一人で寝るのは慣れているし、中学生になった頃からは母は単身赴任の父のもとと自宅を行き来していたので、田舎の無駄に広い家に一人で数日間留守番ということもしょっちゅうあった。
もっと子供の頃、3歳くらいのころはものすごく怖がりだった。カーテンが風で揺れるのが怖くてしょうがなかった。目に見えないものがカーテンを揺らす。
もうちょっと大きくなると、お化けとか幽霊とかより、「人体の不思議」図鑑を見る方が怖かった。特に、妊娠の項目は怖くて、女の人がお腹の中に日々育つものを抱えている。しかもそれとは意思の疎通ができない。たぶん。中にいる方も狭くて暗くてきっと苦しいだろう。そのことを思うと、なんとなく私も昔、苦しい時代があったような気がした。しかもどうして逆さになってるのか理解できない。鉄棒で逆さになっただけでくらくらするのに。私がいつかお腹の中にそんなものを抱えなくてはならないと思うと、ぞっとした。マトリョーシカも怖い。中から人が出てくる。どれが本物なの?と思った。
大人になってからは怖いものってあんまりない。失った辛さやせつなさが怖いというものはあるけど、それ自体が怖いものって、すぐには思いつかないな。
でも、今晩は、純粋に怖い。怖がりの人は、こういう恐怖をどうやって乗り切っているんだろう、と思う。例えば、幽霊をよく見る人は、見そうな夜はどうやって過ごしているのだろう。ひたすら朝がくるのをまつのかな。
私はとりあえず、ホットミルクに蜂蜜を入れて、坑夫でも読むことにする。