性欲が満たされれば食欲も満たされるから恋愛中はきれいになる、と昔ananだかなんだかで読んだ。私としては食欲が性欲で満たされるような幸福な恋愛の経験はないような気がする(あ、誤解がないように。精神的にね)。どちらかというと食事が喉を通らない過酷な状況だったことの方が多い。もちろん最初の数回のデートで、その視線の中でごはんなんて食べられないーっていう乙女時代はあったよ。巻きにくいスパゲッティーやかみ切れないサンドイッチのレタスや崩壊したアップルパイを恨めしく眺める、あの幸せな絶望。失恋したら反動で食べに走ってしまうのも女の子の特徴ですね。ケーキ10個、アイスクリーム1パイント、大福1ダース。ありえん。しかしその反対もあることに最近気付いた。つまり食欲が満たされてしまえば、性欲も満たされてしまう状況。私は好感を持っている人以外とは食事ができないから、食事の前はかなり気分的に盛り上がっている。そして、一緒に、たまらなく美味しいものを食べる。だけど食事が終わる頃にはもう、満腹、満足。さあ、お家に帰って眠りましょう。もちろん一人で。もう一軒バーになんて気にならない。バーってこんなに満たされた状態で行くところじゃないもん。でもバーがなければその先もないからねー。つまりそんなデートが3回も続けばそれはただのごはん倶楽部。旨いもの食いたいなー、ラクに食べれる人がいいなー、そうだあの人誘っちゃえみたいな。だから男の子は適度に女の子を餓えさせとかなきゃいけないと思う。最初のハードルを超えるまでは。あ、とはいえ餓えとひもじいのは違うから気をつけてね。
かくいう私は最近たまに感じる貴重な餓えを一人で満たしてしまう困ったお年頃。日本酒に天ぷら、赤ワインにコンフィ。ああ、美味しいわ。これは問題だと思うけど、たまのその欲求は異常に激しくて、生き物に向かうのはちょっと恐い。これが26歳の女。夕ごはんをかわいいかわいいケーキで代用していた少女はどこへ行ったの。