over the rainbow

今朝目覚めると、無限の可能性が私の目の前に広がっている気がした。1年(もしくは2,3年)に一度くらい、こんな日がある。昨夜は久しぶりに数人で飲んだ。高田馬場の居酒屋で、5時間半に渡って映画や音楽や本の話をした。とても楽しくて、刺激的で、満たされた。帰宅して長電話をしながらさらに私はモルトウィスキーを飲み、荒れ狂う風の音を遠くに聞きながら隔離されたボロアパートで深い眠りにつく。目覚めると部屋は光の予感に満ちている。おそるおそるカーテンの隙間から覗くと、落ち葉やゴミが散乱するアスファルトは水滴でキラキラ輝いて、道を行く人々が光りの中を歩いているみたい。若干アルコールの残る体だけど体は軽い。何よりも今日が素晴らしい日である期待に満たされている。シャワーを浴びて着替える。今日は暖かい。あまりの陽気に近所の野良猫が発情してしまうほど。白地に赤の花柄のブラウスと、このブラウスのためだけに買った真っ赤なミュールを合わせる。12月で寒さを気にせずこのミュールをはけるなんて、奇跡と思う。冷蔵庫をのぞくけど生憎からっぽで、さっさとお化粧をして家を飛び出す。嵐の名残。濃い空気がブラウスやスカートを駆け抜ける。体にまとわりつくよう。その確かさが嬉しい。開店直後の本屋で、読まず嫌いだった舞城王太郎の「好き好き大好き超愛してる。」と笙野頼子の「タイムスリップ・コンビナート」、武田百合子の「ことばの食卓」を買う。それらを持ってカフェに行き、キッシュとサラダを食べる。本が読みたい。映画が観たい。音楽が聴きたい。久しぶりにこんなに激しく知りたいと思う。昼過ぎからシネ・ラ・セットで「ラブコレクション」のひとつ富岡忠史監督の「ねじりん棒」を観る。わはは。おもしろかったです。ストーリー展開うまいなあ、と思いました。役者も個性的。私は邦画は全くと言って良いほど観なかったのだけど、これからはどんどん観ようと思った。そしてシネ・ラ・セットはいいですね。あのテーブル付きソファー。ちょっとまったりな感じ。