コウヘイが好きです

sumikko2004-07-27

転職が決まった。というか決めた。社長に退職の旨を告げた。これから忙しくなるというのに結構早急に辞めたいという私のわがままな相談に親切に乗ってくれた。それなりにいい会社だったなあと思った。一瞬辞職を激しく後悔した。一瞬だけだけど。思えば一時はこの会社を愛して一生懸命働いていた。いつの頃からあの熱い思いが冷めてしまったのか。絶頂期の情熱を思い出してちょっとせつなくなった。
帰りにブックファースト与謝野晶子の「みだれ髪」とリンドバーク夫人(あ!改訂されてリンドバーク夫人からアン・モロウ・リンドバークになってる!夫人の方がおもむきがあると思うけどだめなんだね)の「海からの贈物」とアーウィン・ショーの「夏服を着た女たち」を買ってセガフレードで読みふけった。やっぱ髪は黒くて長くないとだめだなと思った。臙脂色の恋って激しい。現代の子たちは臙脂色の恋とかってあんまりしなさそう。激しさが募るほど薄いカンパリソーダみたいになる気がする。「海からの贈物」はこの本を読んで世界中で1000万人以上の女性がいい女になったそうで、それはすごい。私もぜひあやからねばと思ったけど、海辺で一人っきりでごろごろして自分を見つめ直してみたりとかしていいなーくらいにしか思わなかった。私も今度海に行ったら貝を拾って観察してなにかお話を考えてみようと思った。でもきっとものすごく優秀でまじめな女性なんだろう。いつかこの本のいい女要素が私の中で開花して、ばーんといい女になるといいなあ、と思った。でも手っ取り早くいい女になるにはアーウィン・ショーの方がいいと思った。ものすごく陳腐で不適切で感想とも言えないけど、「フコウヘイダ」となんとなく思った。恋は不公平だ。だんだんと自分自身に腹がたってきたけど、恋に不公平は織り込み済みなんだろう。だからって不のままじゃやっぱりいやだ。電話はかけないことにする。
追伸:古井由吉の「槿」を「蛙、蛙」と探していて、うーんないなあ、と思っていた。気がついた瞬間、ショックで今日は買えなかったよ。